【EPICラップバトル解説】兄弟対決 マリオブラザーズ vs ライト兄弟 (前半)
Season 2 ep3 Mario Bros vs Wright Bros
兄弟対決!2012年2月16日公開
任天堂より発売されている「マリオ」シリーズの主人公兄弟。
- ライト兄弟(Wright Brothers) - 演者 : Rhett & Link (ウィルバー - Rhett McLaughlin / オーヴィル - Link Neal)
1867年, 1871年生まれ。アメリカ合衆国出身。飛行機を発明したことで知られている。
- ピーチ姫 [カメオ出演] - 演者 : Ceciley Jenkins (EPICラップチーム メイク担当)
「マリオ」シリーズに登場するキノコ王国の王女。しばしばクッパ大王にさらわれる。
リリック解説
[Wright Brothers 1st verse]
ライト兄弟が先攻でスタート。古い時代だけに、映像がセピア調になっていたり、ヴォーカルの低域がカットされていたりといった編集がなされています。
We're the Wright Brothers, and there can't be no other.
(俺たちはライト兄弟 唯一の本物だ)
様々な解釈ができるラインがいきなり登場しました。まず、「ライト兄弟」の「Wright」と「正義の、正当な」という意味の「right」がかかっています。「正しい兄弟は俺たちだけだ!」ということです。
ライト兄弟は飛行機を初めて飛行させたことで知られています。しかし、ブラジルの発明家サントス・デュモンは、ライト兄弟より数年遅れるものの、公開実験でライト兄弟よりすぐれた飛行機を披露しました。したがって、デュモンこそが真の発明者なのではないかという声もあるのです。「他の発明家など眼中にないぜ 俺たちが真の発明者だぜ」という意味も含まれているのかもしれません。
We don't wanna cause trouble. Are you looking for your lover?
(俺たちはトラブルは避けたいんだ 恋人を探しているのか?)
ライト兄弟は飛行機の研究に打ち込んでいるため、無用な喧嘩は避けたいのです。
恋人というのはピーチ姫のことで、「マリオ」シリーズのゲームは、さらわれたピーチ姫を救出することが主目的であるものが多いです。
'Cause your princess is in our castle now! Yeah, she's gone.
(だって姫は今俺たちの城にいるんだもの! そう、そっちにはいない)
「スーパーマリオブラザーズ」シリーズでは、マリオは姫を探すためにワールドごとに城を攻略しますが、どのワールドにもキノピオがいるだけで、「THANK YOU MARIO! BUT OUR PRINCESS IS IN ANOTHER CASTLE!」(ありがとうマリオ!でも私たちの姫がいるのは別の城です!)というメッセージが現れます。このラップでは、「ピーチ姫は俺たちの城にいるんだぜ」とマリオブラザーズを挑発しています。
We stayed up all night playing Donkey Kong.
(夜通しドンキーコングをプレイしたぜ)
「ドンキーコング」はマリオのライバルのゴリラで、ファミコンゲーム「ドンキーコング」や、他の「マリオ」シリーズによく登場します。
ここでいう「ドンキーコングをプレイ」というのは遠回しに「色々やっていたこと」を示唆しています。ウィルバーのジェスチャーからも察することができます。
Before us, people only used to fly in balloons!
(俺たちがいない頃は、みんな気球で飛んでたんだぜ)
飛行機がない時代は、熱気球による飛行が行われていました。飛行機の発明者ならではのラップです。
You think we're scared of two idiots addicted to shrooms?
(こんなキノコ中毒のバカを恐れるとでも思ったか?)
「マリオ」シリーズでは、プレイヤーはキノコをとるとパワーアップします。そして、キノコといえば幻覚症状を引き起こす薬を作れることでも知られています。キノコをとるマリオたちを「キノコ(クスリ)中毒」とディスっています。
You shoulda woulda coulda come to lose an extra life!
(残機が1つ減るだけなんだからかかってくればよかったのに)
マリオたちはゲームのキャラクター、つまりライフはいくらでもあるんだからかかって来いよ、と言っています。同時に俺たちはお前らを必ず倒すぞ、というニュアンスも含まれています。
So just "dudda dudda dudda" back down in your pipe!
(だからデデデデデデ、土管の中に帰れ!)
「デデデデデデ」とは、「スーパーマリオブラザーズ」にて、地下フィールドに流れるメロディーのことです。地下には土管に潜ることで行けます。「俺たちのラップから逃げたほうがいいぜ」ということです。
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[Mario Brothers 1st verse]
It's-a me, Mario! And Luigi, motha-*ping*!
(イッツミー!マリオ! そしてルイージだマザー(チャリーン))
「イッツミー!マリオ!」は「スーパーマリオ64」などで聞ける、マリオおなじみの挨拶です。このラップではルイージが後を追って自己紹介をしますが、マザー○○○カー(クソ野郎)という下品な言葉を使っています。自主規制の音として、「マリオ」シリーズでコインをとったときの音が使われています。
Why don't youse get back in your biplane and make out with each other?
(複葉機に戻って兄弟でよろしくやってろ)
「biplane(複葉機)」とは、主翼が2枚ついた飛行機のことで、ライト兄弟が初めて作ったのもこのタイプのものです。「biplane」の「bi」がバイセクシャルとかかっています。
Look at these two! Their lives must've been horrible!
Two dorky dudes named Wilbur and Orville!
(こいつらを見てみてよ!酷い人生に違いないよ!
まぬけな2人 名前がウィルバーとオーヴィルだって!)
アメリカ人にとってウィルバー、オーヴィルという名前は古風でまぬけな名前に聞こえるようです。「こんな名前をつけられたなんてからかわれたんだろうなあ」というようなことを言っています。
You spent all your time on one machine?! Sheesh!
(一台に人生かけた?ヒエーッ!)
ライト兄弟は、一台の飛行機を完成させるのに人生をかけました。マリオたちはそれに衝撃を受けています。
If you wanted to fly, you shoulda just eaten this leaf!
(空を飛びたかったんなら、木の葉でも食えばよかったのに!)
「スーパーこのは」という、「スーパーマリオブラザーズ3」に出てくるアイテムがあり、これをとると空を飛ぶ「しっぽマリオ」に変身することができます。「飛行機より楽に飛べるぞ」ということを言っています。
You should eat something anyway! Look at you so skinny!
(とにかく何か食えよ!君たちガリガリじゃないか!)
飛行機の開発に夢中だったライト兄弟は、食事もろくにとらず、非常にやせていました。マリオブラザーズはイタリア人という設定で、イタリアのお母さんたちは「こんなにやせて!もっと食べなさい」と子どもたちに言うのがステレオタイプなイメージらしいです。そのイメージどおり、ライト兄弟をディスっています。
You might fly like a hawk, but you fight like a kitty!
(飛びっぷりはタカのようだが、戦いっぷりはまるで子猫ちゃんだ)
飛ぶのは得意でもバトルは苦手なようだな、という意味なのですが、実はここにしゃれが隠されています。
ライト兄弟が初めて有人飛行を成功させた町の名前が「キティーホーク」なのです。(厳密にいうと当時の最寄りの町)
前半はここまで
後半はこちら
この記事はEpic Rap Battles of History WikiおよびGeniusを大いに参考にしています。
引用部分はEpic Rap Battles of History Wikiから引用しています。
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