【EPICラップバトル解説】神対決 ゼウス vs トール (3of3)
ゼウス vs トール リリック解説の続きです。
1of3はこちら
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[Zeus 3rd verse]
You think the Underworld scares the ruler of the skies?
(空の支配者がそんな地下世界を恐れるとでも?)
先ほどの地下へ送り込むくだりへのアンサーとしてゼウスは、天空の神である自分は地下世界など怖くないと言っています。
You're joking! Loki must have written your lines!
(笑わせる!そのラップ、ロキが書いたんだろ?)
ロキは、北欧神話のイタズラ好きの神で、道化役とされています。ゼウスは、トールのラップがちゃんちゃらおかしいので、ロキが書いたに違いないと皮肉っているのです。
By the time I've finished whipping you with wits and rhymes,
You'll need a lighter for your ship 'cause a Viking just died!
(このウィットとライムでお前を倒すから
船を燃やして自分を葬る用意をしろ!)
北欧の航海者たちは、死者を葬る際に、船に乗せてその船に火をつける、「舟葬」というやり方をとっていました。ゼウスは、自分のラップでお前は死ぬことになるのだから、自分を葬るために船を燃やすライターを用意することになるだろう、と言っています。
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[Thor 3rd verse
Your glory days are over. The Oracle shoulda told'ya.
(お前の栄光は終わった。オラクルの伝えはなかったのか?)
ギリシャ神話は古くから伝えられているのに対し、北欧神話は比較的新しいものです。トールは、神話の世代交代を宣言しているわけですね。オラクルとは、ギリシャ神話における「神のお告げ、預言」のことです。自分の栄光の時代が終わることをオラクルから知るべきだったな、と言っているわけです。
I'll kick your wrinkly dick back in your toga like "Opa!"
(トガの上からしわしわのチ××を蹴って叫ぶぞ、「オーパ!」)
トガとは、古代ギリシャ人がよく着ている白い服のことです。(「toga」で画像検索してみてください) 「オーパ!」とは、ギリシャ語で、めでたいときなどに使う表現です。ゼウスを倒して祝福しよう、と言っているわけです。
Here, take these drachma for your eyes.
(ほら、ドラクマを目につけろ)
ドラクマとは、古代のギリシャの通貨です。死者の目や口に乗せて埋葬することで、三途の川の渡り賃にする、いわゆる「冥銭」のことを言っています。死人扱いしているというわけですね。
When you get to River Styx, tell your three-headed bitch I say hi. (Woof!)
(三途の川に着いたら、三つ首の犬によろしくな (ワン!))
三つ首の犬とは、冥界でハデスが飼っている犬の怪物、ケルベロスのことを言っています。ケルベロスは、冥界の入口にいる番犬の役割を果たしています。ここで、「bitch」は、「メス犬」から転じて「アバズレ」という意味で有名な言葉ですが、ケルベロスをメス犬ちゃんとバカにするともとれるし、そいつもゼウスの愛人の一匹なんだろ、という意味にもとれるところがみそらしいです。
一行一行見ていって、改めて熱いバトルだとわかりました。パンチライン出まくりですね。
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この記事はEpic Rap Battles of History WikiおよびGeniusを大いに参考にしています。
引用部分はEpic Rap Battles of History Wikiから引用しています。
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